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one-101th [私信]

100本目で書ききれなかった出会いを
少し書き綴りたいのですが
これまでのようなお気楽文章ではなく
不快な表現などが含まれるので
あまりオススメいたしません。

私は絶望していた。
中途半端に関わって、中途半端に喪う
自分の生き方、考え方、時の過ごし方
全ての事に絶望していた。

そして、日常に埋没して死ぬまでの日々を
砂時計の砂が下にサラサラと落ちていく
ただ、落ちていく

時が過ぎてゆくのををひとりで
ただ見つめていた。

ある日、ある掲示板で「真実」に出会う
ツンデレが嫌味を身にまとった様な文章で
読んでいて「やな奴だ」そう思った。
しかし、程なくメールを交わし始める。

メールを重ねる度に心が擦り寄っていく
互いの息遣いさえ聞こえる位置に
近づいているのがわかる

そして、愛してしまう。
いや、愛し合ってしまった。

「真実」は会いたがったが、私は頑なに拒んだ
電話番号すら教えなかった。

声を聞けば、心が抑えきれなくなる
必ず抱き寄せてしまう
離れられなくなる

それを知っていたから
距離を置くしかなかった

彼女の世界を壊したくなかった。
彼女の宝物を奪いたくなかった。

私が「真実」を愛することは
世界を壊し、全てを奪うことが
必要だったから・・・・・・・・

「真実」は私に拒否されて壊れ始める
私の知らない場所で崩れ始める

その頃、彼女の世界は壊れ始めていて
危ういバランスをとる彼女の手を
私の手が支えていたのに
背を向けてしまった
手を離してしまった

暗い深淵の中に落ちていく
そんなか細い声に気づいた時、
初めて電話番号を教えた

初めて話した声は

嬉しそうだった
楽しそうだった

しかし

寂しそうだった
哀しそうだった

心が震えた

その夜、チャットで別れを告げられる

自らの特殊な「セクシャリティー」を告白し
全てを清算するために
全てを壊すために
幸福からの決別が必要なのだと

「堕ちるの。
   汚れるの。
      もう誰にも愛されないの」

静かな口調の底に流れる叫び声が
俺の心に流れ込んできた

「私を愛して。
    私を許さないで
      私を放さないで。」
 
必死で伸ばした手を掴み、
   お前が居るべき場所、
     胸の中に抱き寄せた。

「俺が壊してやろう。
    堕としてやろう。
      女でよかったと
         啼かせてやる」

腕の中で喜びの啼声をあげ
    紫色に染まった朝焼けを迎える。

あれから7年
囚われた世界から
まだ解き放つ事ができないでいるが

出会うはずのない
二つの流れが
ひとつになったのだ

いずれ分かちがたい
大きな流れになる

それだけは、信じている。

PS
 思い返すと、好きになったきっかけがない

 きっと出会う前から好きだった

 話す前から、出会う前から、抱く前から

 好きだった。

 いや、生まれる前から

 お前を愛している。


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